昔から「予知夢」をたまに見る。後で夢見通りに現実化するのがそれだ。夢のほとんどは寝覚めと共に消えてゆくが、私の予知夢は妙に生々しく記憶に残る▼一例が1990年の初夏に見た夢。少年の頃に離別した兄と再会し、病院の待合室で一緒に親父の容態を心配している情景だ。胸騒ぎがして親父の会社に電話したら「いきなりどうした?体は何ともないよ」と逆に驚かせてしまった。ところが1年後に胃がんと肝臓への転移が発覚。兄とも連絡が取れて親父の入院治療を見守ったが駄目だった。「せめて1年早ければ」。悔やまれた▼もう一つ。これは石巻の高3時代に学友と行ったサイクリング旅行がきっかけだ。あの時見た奥松島の島々の影から、粘性のある深緑色の海面が膨れ上がってくる…。そんな夢が年に1回春先に見るようになっていた。それに気づいたのが2011年の3月初め。そして11日に東日本大震災が起きた。以来その夢見はなくなったが、何か役立ちたかった。
・・・いつも3月11日が近づくと思い出します。そして災害前に、何かできることはなかったかと。地球科学的にも、すでに次のステップが進行しています。経験を教訓を次の世代につないでいきたいものです。