アジフライの小骨

 病院食にアジフライが出た。好物なのでかぶりついたら血合い骨やゼイゴに出くわし閉口した。ようやく一本ずつを口中から取り出し配膳担当の看護師さんに申し立てると「調理業者に注意します」ではなく「気を付けて食べて下さい」とだけ言われてしまった▼これがアジの開きならば普段通りに注意深く小骨をよけながら食べていた。それが中身の見えないフライだからこそ信頼して食らいついたのに、これでは全くの期待外れだ。「きれいなバラにはトゲがある」しかり「アジフライには小骨があること」を忘れていたのが悪いのか▼世の中には意図して人を騙すさまざまな詐欺がある。振り込め詐欺や結婚詐欺、保険金詐欺、借用詐欺、無銭飲食など。いずれも人の善意に付け込み、それを巧みに利用した犯罪だ。その自己防衛のためには善意を捨て常に周囲に疑いをもつこととなるのか。それでは余りに世知辛い。新年早々アジフライから妙な話になってしまった。頓首再拝。