ブタもおだてりゃ・・・

ブタもおだてりゃ…

〝賞金50万円〟と〝書籍化〟に目がくらみ?絵本童話のコンテストに応募したが、その後選外となり忘れていた。その主催の出版社から突然連絡が来て驚いた。「良い作品なので本にしないか」と編集者▼あまりに拙作をほめるので「ではなぜ大賞に入らなかったのか」尋ねたら「あの結果は審査員らの好み。実際は他にも出版できる作品はあるのだ」という。後日届いた案内書を読んだら何のことはない。傲慢な自費出版の勧誘だ。例えば107万円の「出版委託金」を払えば、ミニ絵本(本体1000円)を350部発行し、25書店に1冊ずつ配本。筆者には印税(わずか)2%を還元するという。「随分おいしい商売だね」と、私が出版編集にもいた経歴を明かし皮肉ったら、先方は「もういいです」と電話を切ってしまった▼出版不況とはいえ、有能な作家と良質な作品を常に世に出し勝負するのが出版社たるもの。貧乏老人をおだて担保金をふんだくって本を出すようではもうお終いだ。