医療

丁寧な説明と同意

この間、悪性リンパ腫(ろ胞性リンパ腫ステージⅢ)の化学療法を受けていた。3週間ごと6回にわたる点滴投与。その度に疲労・倦怠などの副作用に見舞われ、まさに「草臥れ」状態だったが、奏功して復帰できたのは嬉しい▼その化学療法は抗体薬ガザイバと3種類の抗がん剤、ステロイド剤の組み合わせで、入院しての初回投与では最初に主治医から使用薬剤の丁寧な説明を受けた。副作用として発熱やアレルギー、出血性膀胱炎や間質性肺炎、遅発性心毒性などがあること。合併症として白・赤血球の減少による感染症や貧血、壊死した腫瘍細胞による腎不全や不整脈の危険性があることなど。ところが一つ一つ話を聞くうちに次第に不安が増し、同意の署名ではまるで悪魔と契約書を交わすかのような怖さを感じた▼国の政治家も「丁寧な説明」を言うが、将来展望やビジョンも同時に示さなければ単なる言い訳、アリバイ工作でしかない。不安な社会の中、欲しいのは希望だ。