【「ふてほど」にもほど】大学病院で毎週1回連続5週にわたって抗がん剤の点滴を受けた。外来受付で約2時間の順番待ちをして点滴椅子につくや、決まって看護師さんに聞かれた。「(点滴後の)お迎えは?家のどなたかの車ですか」▼同じ質問は前に入院中、朝回診の主治医にも言われた。「経過が順調なので予定通り本日退院です。どなたかお迎えは?」。そこで「お迎えはあと2、3年は来ないと思うのですが」と返したら、一瞬の間の後、主治医も他の研修医たちもみんなが笑った。これに味を占めて、外来点滴の度に看護師さんたちに同じギャグを返して反応を楽しんでいた。ところが5週目の看護師さんは「真面目に聞いているのに、何のつもりですか。縁起でもない」と怒り出したのだ。これには参った▼2024年の新語・流行語大賞は「ふてほど」(不適切にもほどがある)が受賞した。「お迎えは?」と聞く大学病院、対してあの世を連想した患者のいずれが「ふてほど」なのか。笑福万来!
「お迎えは?」と聞かれたら「あの世からのお迎え」を連想してしまう。それだけ患者は敏感なのか。深刻な病気にもめげず、患者は明るく笑いたいのです。大目に見てください。