政治

必勝しゃもじ

岸田文雄首相が3月21日にウクライナを電撃訪問した。G7広島サミット議長国としての現地訪問。ゼレンスキー大統領へのお土産もまた歴史的だ▼贈ったのは首相の地元広島の「必勝しゃもじ」と世界から寄贈された千羽鶴の焼灰を釉薬にして作った平和祈願の「折り鶴ランプ」だ。「必勝しゃもじ」は日清・日露の戦争時に出征兵士が「敵を召し(飯)取る」意味で厳島神社に祈願奉納したのが起源という。「歴史的」なのは同じ日、ウクライナ侵攻を続けるロシアの大統領と中国の主席が何やら会談をしており、見事「必勝しゃもじ」が〈清露〉両国への当てつけとなったことだ▼ところが日本の一部の声高識者やネット民は「選挙や野球応援の地元品だ」「平和ボケ、無神経、非礼」「突撃!隣の晩御飯か」などと罵詈雑言。前々首相が50万円の金ぴかドライバーを持参し、就任前の米国前大統領の元にいち早く参じた時は何ら批判もなかったのに…。何よりも広島県民に失礼だ。